先日テレビのトーク番組で、オペラ歌手の森 公美子さんのお話がとっても良かったんです
ご覧になられましたか。
彼女は19歳でオペラ歌手を目指しイタリアへ留学しました。
それは厳しいオペラのトレーニングだったそう。
早朝から夜中まで、ぎっちりの過密スケジュールで へとへとの毎日。
そして・・・・また朝がやってくる。
後少し寝たい… その時、彼女の住んでいたアパルトマンの、陽気なイタリア人が、
上のお向かい同士で、「ボンジョルノ~♪」
と大音量で朝のごあいさつが始まるそう
彼女が起きて窓を開けると 「ボンジョルノ~♪ ジャポネーゼ」と満面の笑みに
彼女は「ボンジョルノ」と無愛想に答えていたんです。
もはや 精も根も尽き果てた彼女は、とうとう日本に電話をしてしまいました。
「お父さん・・・もうダメかもしれない」
そのときのお父さんの言葉がとっても素敵だったんです。
「何いってんだ~..。 お父さんは、お前がイタリアから帰ってきた時に、
スパゲッティの2.3品作ってくれればいいがなーって思ってたんだぁ。
あっ だけどお前、イタリア人になりきって生活してるか?」
「いや・・・なってない…」
「せっかく イタリア行ってんだから イタリア人になりきって帰ってこい!」
ハッとした瞬間から、彼女はよろい戸をバンと開けて、
「ボンジョルノ~ セニョーラ♪ ポモドーロの作り方教えてくれない」
マンマは大きく手招きをして・・・
「上に上がっておいで!」 と
そして その日のスケジュールを全てキャンセルしたそう
夫人の美味しいポモドーロから、 なんとイタリアが “グ~ン ” と入ってきたんですって。
スパゲッティのレシピは2.3品にとどまらず、最後はレストランでバイトまでして
レシピを全て教えてもらって 帰国しました。
現在の彼女は・・・
オペラはご覧のとおり。 そして絶品イタリア料理の本を 何冊も出すほどの料理好き!
よろい戸は彼女の心の扉だったのね。 あの時から 彼女の人生が開けたんですね
今、挑戦してる人…
今、見守っている人…
それぞれの立場で 心に残るストーリー。
お父さんは スパゲッティをたらふく食べられたことでしょう。
「mangiare(食べて)cantare(歌って)amore(恋を して)」 (マンジャーレ カターレ アモーレ)
「食べて歌って恋をして、それだけでも人生は 素晴らしい」
彼女が素敵なのは イタリア人の気質そのものだからなのね♪