「女二人旅 プロヴァンス」
張り切って書いたけどあまりのまぬけっぷりに、この本のイメージに合わない
ということになり、お蔵入りとなってしまった記事 「旅のアクシデント」
番外編でVol.1を大変お楽しみ頂けたようでしたので、更にVol.2もお楽しみください。
~ひーとりおじさん・ふーたりおじさん・さんにんおじさん~
私達は、性格がまるで違います。
一人は緩め。 もう一人は、安全対策にぬかりがありません。
相棒はこんな名誉(?)なあだ名をつけてくれました。
その名も、危機管理部長!
ある日、事件は起きました。
その日は、 別行動の日。
思い思いに好きな場所に行き、満喫しました。
先に帰ったのは、もちろん危機管理部長。
日頃から安全対策をバ ッチリしているので、この日もアパルトマンの扉の鍵を上下ともガチャリ。
暫くお茶を飲んで相棒を待っていましたが、なかなか帰ってこないので、
先にお風呂に入ることにしたのです。
シャワーを浴びている時、何だか騒がしい音が遠くから聞こえてくるのです。
外の階段の方から男の人の声が・・・
週末はいつもにぎやか、だから今日も気に留めずにおりました。
でも、お風呂から出てみると、扉の方からドリルのような音が聞こえてくるではありませんか。
急いでドアに行くと、なんと男性の声がして、部屋の扉を誰かが壊してる!
恐怖におののきました。
も、も、もしかして、泥棒?まさか強盗!
抜き足差し足・・ ・ 、いざとなれば逃げる用意をして。
「どなたですか・・・」
「ええー!! いたの~??」
ドアの向こうから、なんと相棒の声がするではありませんか。
慌ててドアをあけたら、そこにはそれぞれ違う工具を持ったおじさんが三人と、
相棒がポカーンとした顔で立っていました。
そして相棒とおじさん達は顔を見合わせて大笑い。
「鍵を開けてもどうしてもドアが開かないから、「落ち着けー、右に1,2、・・・」
ぶつぶつ言いながらガチャガチャしていたらさ、
上の階の人は週末恒例のパーティーで、ワインを取りに来たムッシュが、
念仏を唱えながら全力で鍵をあける私を見て、
どうしたの?って 聞かれたから訳を話してね。
そしたら、どうしたんだ~ってまた別のムッシュが降りてきてさ。
別の工具を持ってきて開けようとしてくれるけど、どうしても開かないのよ。
さらに、また別のムッシュがどうした~って更に工具を握り締めて降りてきて・・・
三人がかりでドアが開かないから、大家さんに電話して、今まさにドアの鍵を壊すところだったのよ!」
なんと、こんな大騒動に発展していたなんて・・・
あとでわかったのですが、二つ鍵をかけたらいけなかったみたい。
危機管理を怠らない性格が禍しました。
お陰で上のファミリーとはすっかり仲良し、テラスでワインを頂く仲に。
後になって、この話しをするとき、必ずこの曲をつ けて歌うんです。
10人のインディアンっていう曲ご存じですか?
それをもじって「ひーとりおじさん・ふーたりおじさん・さんにんおじさん・・・」なんてね。
旅には、アクシデントはつきものですよね。
しかし、こんなアクシデント、一生忘れることが出来ません。
今でも思い出すだけで大笑いする二人なのでした。