このたび世界遺産登録された沖ノ島。
沖ノ島そのものがご神体と言われています。
神宿る島として静かに、大切に、厳格に守られてきました。
中でもとても印象に残っているのが、「不言様」(おいわずさま)という禁忌というものがあり、
そのしきたりを、今に伝え厳格に守られてきたそう。
沖ノ島で見聞きしたことは口外してはならない。
島から木一本一草たりとも持ち出してはならない。
島に上がるには、全裸になって禊(みそぎ)をしなければ上陸してはならない。
島内で四足のものを食べてはいけない。
など、他にも数々の掟があるそうです。
その世界文化遺産の一部でもある宗像大島、
昔から漁師さんたちは”大島、沖ノ島の漁場は神様からの授かりもの”
という思いから、その日捕れた一番大きい魚は、感謝の気持ちでお宮へ献上されるのだとか。
この神宿る島沖ノ島、宗像大島近海で獲れた玄界灘の海の幸を、
特製のタレで熟成し、宗像大島産の竹でじっくり燻した「大島いぶし」
いぶしで島起こしをしよう!と熱い思いの込められた特別な逸品に出合いました。
その宗像大島にある「お魚大好きクラブ」
実はここが、およそ4年の歳月を掛けて「大島いぶし」を誕生させた、
中村一義さんの経営する居酒屋さん、そう、「お魚大好きクラブ」はお店の名前なんです。
商品の問い合わせでお電話したとき、そのお人柄の良さがストレートに伝わりました。
「こんな美味しいものを作られるんだから、お魚料理が美味しいのは間違いないわ!」
ポンポンポンポン・・・
ということで宗像市神湊港からフェリーに乗って約25分、玄界灘に浮かぶ離島大島へ。
食いしん坊の私はとうとう離島まで お魚を食べに足を伸ばしました。
早速「お魚大好きクラブ」へ。
一人で行く私をご夫婦で待って下さっていて、食べきれないほどのお魚がドーン!
鮮度がごちそうの、シンプルな漁師料理。
「はいどうぞ~」またも巨大な煮つけがドーン、
戻ってからも忘れられない、絶品の味です。
イカのチヂミやキムチに佃煮・・・ストップー!
こんなにいったい誰が食べるの~
初対面とは思えないほど会話に花が咲き、
彼の島に対する思い、波乱万丈の人生から学んだ生き方と心の豊かさ、
ユーモアたっぷりで縛られない考え方。
「美味しいお魚が食べたい」と行ったところには、素晴らしい出逢いが待っていました。
日常から離れ、船に乗って島へ行き、美味しいお魚を食べて民宿で一泊。
ここには華やかなものは何もないんです。
時々聞こえる船の音と島の人の声・・・
何もしない時間を味わう、大切な場所でした。
奥さんの順子さんから、大島いぶしと島の名産品をどっさりお土産に頂いて島を後にしました。
愛情いっぱいのハグで、再開を約束をして。
一体何泊したの?といわれる大荷物・・・
大のスモーク好きの私、
これまでは牡蠣やホタテの燻製ばかりでしたが、今ではすっかりお魚スモーク。
熱い思いで 地道に地道に開発された「大島いぶし」は、
島で捕れた”今が旬” のお魚で作られます。
青魚の臭みも全くなし、いぶした香りとお魚の旨みがぎっしり詰まった ソフトスモーク。
「レンジで10秒温めると美味しいよー」と中村さん、
炊き込みご飯や野菜炒めも最高!と友人から。
ホームパーティーでも大活躍 、いぶしを探せ!
これは日本列島、いや日持ちするうえに 軽くてペッたんこは、海を渡るお土産にも最高!
「大島いぶし」、これは必ず島起こしになるなる。
追記
その後・・・
島おこしで「大島いぶし」を立ち上げられましたが、島の皆さんとの意見の違いや、改革を進める時に起きる反対派は珍しいことではないでしょう。
決して順調に進んだわけではなかったようです。
色々な逆境を超えて柔軟な考えに変えたとき、島から出る決断をされたそう。
すると・・・今や福岡県で大人気エリア、糸島からオファーが。
まるでガイヤの夜明けのようなストーリー。
今は「いぶし家本舗」として心弾ませてスタートされています。
「今後は島おこしでなく、商品開発に悩まれる工場や企業の方にいぶしのノウハウを伝授したり、アイデアで役に立っていきたい」と生き生きとされていました。
思いが達成出来なくなったとき、 「自分のチャレンジは素晴らしい!」
と思うことが 一番大切な気がしました。
いぶし家本舗は こちら