一昨日、母が蓬入りおはぎを作って持って来てくれました。
家族全員、母の作るおはぎは大好物。
特に、この時季の蓬入りおはぎは、絶品です!
蓬の香りが、早春の喜びを伝えてくれます。
おはぎをほうばると、鼻から蓬の香りが、ふんわりと抜けていきます。
早春の香りが、心ときめかせてくれるの。
母はこのおはぎを作るために、蓬を里山まで摘みに行きます。
“どうして、こんなに遠くまで行くの? 近くでも蓬はあるじゃない?” って聞いたことがあります。
“だってね、あなた達に食べさせるのだから、里山の綺麗な空気の中で育った蓬で作りたいじゃない。”
“ご馳走” の語源の由来は、大切な人に食べさせるため、食材を買い集める為に走り回る という意味だとか・・・
母から、心を込めて作る事の大切さを教えてもらいました。
早春のこの時季、土にしっかり根付いて、まだまだ小さな蓬の葉。
その小さな蓬の葉を、根っこを抜かないように、丁寧に丁寧に、はさみで摘み取ります。
里山の何とも言えない香り・・・澄み切った空気・・・
母も私も、蓬摘みが大好きです。
母は、蓬を摘みながらいつもこう言います。
「蓬はね、血を綺麗にしてくれるから、すごくいいのよ。
それにね、今の時期の蓬は生命力が強いから、身体にとってもいいのよ。」 って
母が教えてくれた、この無上の喜び・・・。
母に小豆の煮方を習って、何度も挑戦しましたが、母と同じ味になったためしがありません。
愛情がいっぱ込められた、蓬入りおはぎ。
いつか、母の味を受け継ぎたいな・・・。