マリアンネ・ゼーゲブレヒトという名前を聞いて 「あー!あの女優さんね!」 とすぐにお顔が浮かんだ貴方・・・
そんな貴方は、きっと映画通ですね!
この女優さんの名前をご存じなくても、映画 「バグダット・カフェ」 の中で、ドイツから来た旅行者のヤスミンを演じた方、といえばご存じの方も多いのでは?
「バグダット・カフェ」 は、1987年に西ドイツで制作され、世界的に大ヒットしました。
私がこの映画を見たのは、30代の頃。
ちょうどこの頃、子育てや嫁姑の問題、それから夫との関係など・・・悩みが一度にいくつもあって悩み多き時期でした。
なかなか自分の時間が持てなくてイライラしていた頃、この日だけはと子どもを実家の母にお願いして、命の洗濯にこの映画を見に行った記憶があります。
この映画のテーマ曲 「コーリング・ユー」・・・退廃的で気だるい感じが、まさにこの映画にピっタリ。
映画の初めにこの曲が流れてくるのですが、のっけからこの映画の魅力にはまっていきました。
この映画をご存じの方も多いとは思いますが、かいつまんでお話ししますね。
アメリカのラスベガス近郊のモハーヴェ砂漠の道路のそばに、埃にまみれたカフェと併設されたモーテルがありました。
そのお店の名前はバグダット・カフェ。
そこには、いつも不機嫌な女主人がいてね・・・夫とも、子ども達とも全くうまくいっていないの。
おまけに、ここに集うお客が変わり者だらけ。
今にも潰れてしまいそうなうらびれたカフェ。
ある日、ドイツから夫と車で旅行していたヤスミンが夫と喧嘩し車から降りて、ふらっとこのカフェに現れるの。
そこからお話しはゆっくりと始まっていくのですが・・・
今までの映画のヒロインと言えば綺麗な女優さんばかりでしょ。
だけど、この映画のヒロインときたらまるで中年のそれも太ったおばさん!
「何?これは?」 と少々げんなりしたのは否めませんでした。
でもね、すぐにこのヤスミンさんの魅力に引きずり込まれました。
このヤスミンさん、なかなか魅力的なのです。
ドイツ語しか話せない彼女ですが、堂々とドイツ語でみんなの中に入っていくし、それから嫌味の無いお節介が素敵なの。
彼女のお節介は初めは受け入れられなかったけれど、徐々にここの人達の心を癒していきます。
そして、最後にはみんなの心を開いていってね、このお店はたちまち大繁盛店に変貌していくのです。
この映画のお蔭で後ろ向きだった私の気持ちが、前向きになったのを今でも憶えています。
そして、彼女からこう言われているような気がしました。
「もっと肩の力を抜いて・・・人生を楽しめたらいいわね」 って・・・
屈託のない彼女の笑顔は、なんだか人に安らぎを与えるの。
彼女のような人間力のある人になりたい!・・・そう思いました。
去年、ある雑誌に彼女が 「バチカンで逢いましょう」 という映画に出演されているという事が書いてあってね。
久々に聞く彼女の名前・・・とっても懐かしい!
これは是非とも見なくちゃ!
今回は、映画の上映は終わっていたのでビデオで見ました。
相変わらず、彼女の魅力満載!
生真面目だけれど、どこかちょっと抜けていて笑える。
おまけに今回は、ずっーと心に誰にも言えない秘密を持っていて、その秘密を懺悔しにローマ法王に会いに行く・・・そんな役なの。
何だか重たい感じ? いえいえ・・・それはご覧になってのお・た・の・し・み。
いつも真剣に生きて、周りの人を力いっぱい愛して、みんなを励ましいつも誰かを支えてる。
魅力溢れる、どこか天然で可愛いおばあちゃん。
バグダット・カフェから何十年もたったけれど、未だに健在する彼女の笑顔は時間を感じさせないくらい素敵。
映画から醸し出される彼女の笑顔は、素の彼女自身のような気がします。
歳を素敵に重ねていらっしゃる、マリアンネ・ゼーゲブレヒトさん。
皆を暖かく包み込む、貴方は私の理想の人です。
映画 「バチカンで逢いましょう」 予告篇は こちら