子どもの頃、母が選んでくれる服は決まって、紺、グレー、オフホワイトばかり・・・
母は私の洋服を買いにいく度、決まってこう言いました。
「赤とかピンクを着て欲しいけど・・・似合わないのよね。」 って。
「失礼ね!」 と、心の中でこう思っていましたが、実際、赤い色の洋服を着て鏡の前に立つと・・・
びっくりするくらい、似合わなくてね・・・それ依頼、トラウマになっていました。
そんなこんなで、私の中で “赤やピンクを着る” という選択肢は、もはやありませんでした。
去年の暮、大掃除をした際、着ない服の整理も久しぶりにしました。
そしたらね、タンスの奥の方から、見慣れない一枚の赤いシャツが出てきたの。
よーく見ると、弟がプレゼントしてくれた、アニエスbの赤いシャツでした。
かれこれ、25年くらいは経っているでしょうか・・・。
すっかり記憶の片隅に追いやられていた、赤いシャツ。
本当に、懐かしくてね・・・思わず手に取り、鏡の前で合わせてみました。
すると、どうでしょう・・・
あんなに似合わなかった “赤” のはずが・・・
似合ってるーー!
久しぶりに目にした “赤” は、とっても新鮮でした。
まさか・・・まさか・・・“赤” が似合うようになるなんて!
歳を取るのも、満更でもないわ。
同じ “赤” でも、自分に似合う “赤” がありますよね。
そして、“赤” の分量も大切になってくると思うの。
今回の思いもよらぬ発見で、ファッションの楽しみが一つ増えました。
パリに行くと、“赤” や “ピンク” をかっこよく、しかも上品に着こなしていらっしゃるマダムを良くお見かけします。
しかも、年齢を重ねていらっしゃるマダムの着こなしの素敵な事といったら・・・
きっと、自分の見せ方を良くご存じなのね。
私も、“赤” を着こなして、素敵なマダムになりたいわ。