もうかれこれ20年くらい経つでしょうか。
母から譲り受けた、タイシルクのツーピースと舶来シルクのスカート。
私の大切な宝物の一つです。
母が30代前半に仕立ててもらったという、タイシルクのツーピース。
私が中学生の頃だったでしょうか、母がこのお洋服を着て参観日に来てくれると、とっても嬉しかった記憶が残っています。
母はシルクのお洋服が大好きで、何枚も持っていました。
ある日、母に「どうしてシルクがそんなに好きなの?」と聞くと、母はこう言いました。
「あのね、シルクはお蚕さんが作った天然繊維だから、着心地がとってもいいのよ。夏は涼しくて、冬はあったかいしね。それに、この布を見てごらん。とっても手が込んでいて、贅沢でしょう。大事に使わなきゃね。」
それ以来、私が大人になったら母のお洋服をもらおうと、心に決めておりました。
このツーピース、かれこれ45年以上は経っていると思いますが、今でも生地に張りがあって、光沢があって、とっても素敵な風合いです。
母の影響で、私もすっかりシルクの虜になりました。
もう一つは、梅の花の刺繍がほどこされた、舶来生地のシルクのスカート。
前者のタイシルクのツーピースは、タイシルクだけあって、生地に厚みがあるのですが、こちらのシルクは、とっても軽いのです。
梅の花が、とっても上品な雰囲気。
初めは、ワンピースとして作ってもらったそうですが、こちらもツーピースにしてもらったのだとか。
その頃、ツーピースが流行っていたのでしょうね。
いつの時代も、女性はおしゃれが大好きですよね。
これからも、母から譲り受けたこのお洋服、大切に着てゆこうと思います。