私たちが自費出版した「30日のプロヴァンス」が出版社の方に認められ、
装いも新たに誕生した 「女二人旅 プロヴァンス」
打ち合わせの時に出版社の方から、記事の追加を依頼されていました。
内容は「旅のアクシデント」
それならお任せください!と張り切って書いたのですが・・・
あまりのまぬけっぷりに、この本のイメージに合わないということになり、
お蔵入りとなってしまいました。
世に出ることのなかったお蔵入りの原稿、今日は番外編としてお楽しみくださいね。
旅のアクシデント ~恐怖の洗濯機5回まわし~
エクス・アン・プロヴァンスのアパルトマンに到着したのは、夜。
アパルトマンでの生活上の注意点と電化製品の使い方を一通り教わりました。
事件が起こったのは、翌朝でした。
この日、初めてフランス製の洗濯機を使いました。
昨日、真剣に説明をフンフンと聞いていたはずですが、
よりにもよ って、 超アバウトな二人。
確かここだったよね・・・なんて気軽に押したら、す ぐに回りはじめました。
やれば出来るじゃん!と思ったのが甘かった・・・。
洗濯は無事終わったと思ったら次なる難関が。
今度は乾燥のボタンがわからない。
またまたお気楽な二人。
「どれか押せば当たるよねー。」
なんて、軽く流していたのが大間違いのもとでした。
気軽に、ポンとボタンを押したら、ウィーンっていってまた洗濯が始まったのです。
慌ててボタンを押しても、止まらない。
どのボタンを押しても、止まる気配さえしない。
仕方がないので、終わるまで待っていました。
さぁ、今度こそ乾燥のボタンを探すわよー!
次こそは間違えないで、押さなくては!
慎重にボ タンを選びました。
そうすると、ウィーーンとさっきと同じ音が・・・
嫌な予感的中!
またまた洗濯が始まったのです。
しかもこの洗濯機、一度始まるとどこを押しても40分間最後まで止まらない。
まさか洗濯でこんなにも真剣になるなんて、思ってもみませんでした。
次こそ、絶対に間違えられません!
二人とも血走った目で、乾燥のボタンを探しました。
人差し指に念を込めて
次の瞬間、二人とも全身を覆う脱力感!
聞き慣れた音が・・・
しかも、最初の元気の良い音と違って、かなり洗濯機もお疲れの気味の様子。
それもそうです。連続3回もまわしているんですもの・・ ・
気を取り直して、4回目に挑戦。
今度こそ、いざ!
部屋中に響き渡る、むなしい音。
「もう勘弁してー!」って洗濯機も悲鳴を上げている。
恐怖の連続5回まわしに突入です。
もうここまできたら、電話して聞くしかない!
「あのー洗濯機が止まらないんですけど・・・続けて5回も洗濯してるんです。
乾燥機のボタン、教えてください…」
ちょっとおいて、電話の向こうから「アハハハ・・・」という笑い声。
「早く電話してくれればいいのに・・・ハハハ」アテンドの町田さんも笑いが止まらない様子。
私達も半べそ状態で、つられて笑ってしまいました。
お蔭でついに問題解決。
乾燥も無事終わり、洗濯物を取り出してみると・・・
なんと買ったばかりの長袖だった部屋着の袖が、5部丈になってる‼
首回りも丈もキューっと締まって左右ガタガタ、新作コレクションの誕生です。
嘆く相棒。
とりあえず、力いっぱい部屋着を引っ張る二人なのでした。