旅行に出る前、あらかじめどこに行くのか予定を立てますが、今回の予定の中に全く入れていなかったのが・・・ロマン派美術館に行くこと。
“ロマン派美術館に行きたい!” という、従妹のたっての希望を叶えるため、お伴しました。
ですから、こちらがどのような場所か、全く知らなかったのです。
まさか、まさか・・・こんなに素敵な場所に出会えるなんて!
誘ってくれた従妹に、大感謝です。
こちらは、9区のヌーヴェル・アテネ という地区にあります。
こちらの地区は、パリのロマン派運動の中心地だったそうで、当時のままの美しい建物が並ぶ閑静な住宅街です。
19世紀以前からあると思われる、巨大な石の壁を通りぬけると・・・
画家 アリ・シェフェール氏 のお屋敷が当時そのままに残されていました。
アリ・シェフェール氏は、オランダ出身のロマン派の画家で、1830年からこちらのお屋敷に住まわれていたのだとか。
シェフェール氏は、オルレアン王家の子ども達の絵の先生でもあったそうです。
こちらのお屋敷には、ドラクロワ、ジョルジュ・サンド、ショパン、リスト、ヴィクトル・ユゴー・・・などなど
19世紀を彩る、パリの知識人や、芸術家がこちらのお屋敷に足しげく通ったそうです。
photo by tomoko tsutsumi
こちらのお屋敷には、ジョルジュ・サンドの孫が寄贈した絵画も飾られています。
ショパンの手や、ジョルジュ・サンドの腕の石膏もありました。
photo by tomoko tsutsumi
アリ・シェフェール氏の描いた作品の数々も、展示されています。
貴方は、ウッディー・アレン監督の 「ミッド・ナイト・イン・パリ」 っていう映画をご覧になられたこと、ありますか?
この映画の主人公が、パリを訪れたそんなある日、突然1920年代のパリに迷い込んで行く、というお話しでしたが・・・
なんだか、そのお話しにとっても似ていてね・・・
まさに、この場所にいると、1800年代のパリに迷いこんでいる錯覚におちいりました。
ジョルジュ・サンドや、ショパンが今にもお部屋から出てきそう。
幻想的で魅惑的な空間・・・その時代の息吹を感じることが出来ます。
自然な感じのお庭。
きっと、こちらのお庭で、芸術家や音楽家達が、華やかなお茶会を楽しんでいたのでしょうね。
大きな美術館もいいけれど、個人の邸宅を見学できる、こんな美術館もとっても素敵。
しっとりと、贅沢な時間を味わうことができる空間です。