パリを旅して、一番不思議に思うことは、なんて言ったって、トイレの数が少ない事!
大きなデパートでさえ、5階に1か所だけとか・・・
お店にトイレなんて無いから、パリっ子達はみんなカフェのトイレに入っているのかな?
同じ人間ですから、もよおすことは同じはず・・・(はしたなくて、ごめんあそばせ。)
それは、モンマルトルの生地屋さんでの出来事でした。
大きな生地屋さんですから、当然トイレはあるはずだと・・・そう思っていました。
それがね、「ここには無いから、外の公衆トイレに行きなさい。」って、お店の人に言われたの。
こんなに大きな生地屋さんでも無いのかと、改めてパリのトイレ事情には驚かされました。
公衆トイレなんて、使ったことないし・・・どうしよう・・・。
とりあえず、外にでて公衆トイレを探すと、目の前にグレーの見慣れぬ小さな建物が・・・(上の写真、中央よりやや左に小さく映っています。)
こちらが、公衆トイレだったのです!
真ん中のシルバーのボタンを何度も押すのですが、一向に扉が開く気配なし。
これは、きっと、どなたか先に入っていらっしゃるのかも・・・
と思っていたら、目の前のトイレの扉が、ゆっくりと開きました。
マダムが中から出てこられたので、“さぁ、入ろうかな。” と思った瞬間、見ず知らずのおじさまが・・・
「ノン、ノン、ノン!」 と、雄叫びをあげて、全力で止めてくださったのです。
何が起きたのか、全く理解できず、きょとんとしていたら、そのおじさまが、親切にトイレの使い方を教えてくださいました。
おじさまに教えてもらった事ですが、パリの公衆トイレには、自動洗浄機がついているそうなの。
公衆トイレを使うと、そのたびごとに、自動洗浄機でトイレ全体を洗ってくれるそうなのです。
上の写真で、青く光っているのは、今洗浄中!というサイン。
使ってもいいよ! というサインは、左の緑の光が付いてからなの。
“知らなかったわー! おじさま、本当にありがとう!”
あのまま、知らずにトイレに入っていたら・・・今頃どうなっていたことやら・・・
きっと、ずぶぬれになって、トホホ状態になっていたはず。
おじさまの後ろ姿が、天使に見えた・・・そんな、出来事でした。
ps
パリの公衆トイレは、お金が必要なタイプと、そうでないタイプがあります。
モンマルトルのこちらのトイレは、お金は必要ありませんでした。
トイレの扉は、中のボタンを押すと、自動でゆっくりと閉まりますよ。